平成12年度調査 2000年度
調査地点
勝瑞館跡 第6次発掘調査
礎石建物跡→
勝瑞館跡第6次発掘調査は、会所跡から北へ約70mの地点に調査区を設定して実施されました。
調査では、礎石建物跡が検出され、勝瑞館跡内の空間構成の解明に向けて貴重な資料が得られました。
桃形三彩水滴
礎石建物跡周辺から出土した遺物は、交趾三彩の桃形水滴をはじめとして、稀少な中国陶磁などが大量に出土しました。
また、枯山水庭園の南側にも調査区を設定し、庭園の範囲を確認しましたがここでは濠跡が検出されています。
出土した濠
勝瑞館跡 第7次発掘調査
礎石建物跡(会所跡)→
会所跡の全体像確認のため、 徳島県教育委員会が主体となって調査を実施しました。
調査では、礎石建物跡は、四間半×七間の規模であったことが確認されました。また、この建物跡の礎石には熱を受けた痕跡が認められ、焼けた壁土を含んだ焼土層によって覆われていました。
これらのことから、上屋は焼失した可能性が高いと思われます。焼失の時期は、出土する遺物の年代から、16世紀末と考えられます。。
この建物跡周辺からは茶道具や香道具が多く出土しており、勝瑞城館の主であった三好実休の趣向を物語っているように思われます。
茶道具 香道具
勝瑞館跡第6次調査および第7次調査については、平成12年7月8日に現地説明会を実施しました。当日は、午前・午後の2回開催しましたが、400名を超える方々にお越しいただき、大盛況でした。
藍住町では、勝瑞館跡第7次発掘調査および勝瑞城跡第5次発掘調査
までの成果をとりまとめ、勝瑞城跡と勝瑞館跡をあわせて
「勝瑞城館跡」として平成12年7月24日に国史跡指定の申請を行いました。
同年11月17日には文化財保護審議会より文部科学大臣に対して
「勝瑞城館跡」の史跡指定の答申が出され、平成13年1月29日付けの
官報告示(文部科学省告示第18号)により国史跡に指定されました。
守護町勝瑞遺跡東勝地地点 第2次発掘調査
←大量に出土したかわらけ
地割り調査では、国史跡に申請した地域の東側にも大規模な区画が確認されました。
その内容確認のために発掘調査を実施しました。
調査の結果、かわらけの焼成窯や、それに伴う大量の遺物が出土しました。また、礎石建物跡も検出されましたが、その内容確認は、次年度以降に持ち越されました。