「衣」に関する遺物は、勝瑞城館跡では、普段来ている着物の手入れをするための 道具である砧(きぬた)が出土しています。
また、履き物では色々な大きさ・形の下駄が出土しています。
下駄は、台と歯を一木から 作り出した連歯下駄という種類の下駄です。
さらに、化粧道具としては歯黒壺と考えられる雀口、銅製の鏡や紅皿の出土がありました。
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「食」についての遺物では、まず食膳具があげられます。食膳具は 土師器(はじき)皿・坏、陶磁器の 碗・皿、漆器の椀・皿、箸があります。
土師器皿は、勝瑞城館跡の発掘調査で最も多く出土し、全体の90%以上を占めます。
陶磁器では、瀬戸美濃焼皿、木製品も漆器椀・皿、箸が出土しています。また、貿易陶磁器では、中国産の青磁碗・皿、白磁皿、青花碗・皿があります。
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住まいに関係した遺物としては釘や壁土が見られ、これは礎石建物跡の周辺から出土しています。
また、錠前の出土もあり、建物の性格を考える上で貴重な資料といえるでしょう。さらには、煽り止めや二重折れ釘、吊り金具、様々な飾り金具が出土しており、建具や内装、そこに使われていた調度品にまでその想像の世界は広がります。
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日常生活には夜の明かりが必要ですが、灯明具の出土もあります。 口縁部にタールが付着した土師器皿がありますが、これは中に油を入れ、縁の芯に火を付ける灯明皿です。また、瓦灯と呼ばれる灯火器も出土しています。
そのほかに、柄杓や砥石なども日常生活に必要なモノでしょう。
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