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発掘調査のあゆみ

平成8年度調査 1996年度



調査地点

勝瑞城跡第2次発掘調査

            発掘調査のようす →

  見性寺の本堂及び庫裏の建て替えに伴い発掘調査を実施しました。
 調査では、大量の瓦が廃棄された土坑を確認しました。また、勝瑞城を築いたときに約70㎝の盛土を施していることも確認できました。
 盛土の中からは16世紀中頃の遺物が
出土しました。

←出土した備前焼のすり鉢と陶器

 盛り土を除去すると、その下層からは16世紀末頃に作られた形式の備前焼
擂鉢が出土しました。
 このことから、勝瑞城跡は16世紀末に築かれたことが判明しました。
 盛土の中から出土した16世紀中頃の遺物は、勝瑞城跡築城時に周辺の土と共に持ってきたものだったのです。
 
 おそらく、この時いくらか遺構が破壊されたことでしょう。 また、この年の調査で勝瑞城跡について、新たな発見がありました。
 勝瑞城跡は、従来阿波守護細川氏の館であり、三好氏の居城跡であるといわれて
きました。 しかし、調査成果から、勝瑞城跡は16世紀末に築かれたことが判明
し、細川氏や三好氏の館跡として機能した遺跡ではないことが判明しました。

勝瑞城跡第3次発掘調査

               勝瑞城跡の濠→

 濠は上幅約13m・深さ2m以上で、現存している濠よりも当時はさらに大きなものであったことが分かりました。

              勝瑞城跡の土塁→

 また、この濠を掘った土を盛り上げたのが土塁で、基底部幅約12.5m・高さ約2.5mを測ります。土塁は、版築などはされておらず 掻き上げ土塁の範疇におさまるものでした。

             濠から出土した瓦→

 濠からは瓦も多く出土しています。